Segovia試聴機にいただいたご感想

【mar_mo】様

【mar_mo】様から御試聴記を3度に亘ってお送りいただきました。
以下、時間経過と共にご紹介いたします。


1.第一印象
お陰様で楽しく試聴させて戴いております。

感触としては、球管特有の潤いと温かみを感じさせながらも音数が多く、駆動力のある音場が心地良いです。
ただ、中・低域が僅かに膨らみ気味で、時折、高域部にキャラクターと思われる微かな付帯音が感じられますがソースによってはゾクっとするリアリティを感じることがあり、特にボーカルに生っぽさを感じることが多く、クセになる音楽再生能力を秘めている印象を受けました。

Segoviaをお楽しみいただいていらっしゃるとのこと、ありがとうございます。 ご指摘の中低音域の充実感と、高域のなまめかしさはまさにその通りと 思います。私もダイアナ・クラールなどの女性ジャズをよく聞くのですが、 Segoviaをお貸しした現在、他のDACで聞くと潤いが乏しく、寂しいです。 (pract記)


2.1週間後
Segovia試聴機も時間に伴い我がシステムに馴染んできたのか 『危険?で素晴らしい』領域へと昇華しております。

超ハイファイ路線ではないのですが、一言で表しますと『魔性&妖艶』的な 音場を醸し出しており、病み付きになる危険性?があるようです。 瞬時的な試聴ではナローで重心が下がったような感覚ですが 聞き込むと、実に懐深い濃厚な味わいを感じさせてくれます。

この音に慣れると、元のシステムに戻した途端、 聞きやすいのですが、さっぱりし過ぎて、平坦な感覚に陥ります。 まさに、このSegoviaは麻薬的な要素が注がれていると感じます。

私が良く聞く女性ボーカルは『カーメン・クエスタローブ』や 『リサ・エクダール』などの甘口系が多いですが、ボーカルを中心に聴く方に とっては間違いのないDACと思います。

手放すことが寂しい思いをひしひしと感じますが今週までの限られた時間ですが、 この感覚に身を委ねさせて戴きます。

ご丁寧な試聴記をありがとうございます。 『魔性&妖艶』とは実に言い得た表現と思います。私が囚われた 音場のことであるとすぐさま理解できました。
同じ臨場感をお感じになられておられると思います。(pract記)



3.2週間後・・ご返却前
2週間ほどの試聴期間でしたが、いろんな発見・体感を得られ我がシステム にとっての今後の成すべき展開への道しるべの一助になったことは間違い ございません。

お陰様で、喜ばしい悩みが増えてしまいましたが‥< 将来的な導入の可能性に向け、CDP〜PREにかけての システム構成思案を巡らし、微々たる小遣いでは多少時間も要しますが資金貯蓄 に励みたいと思います。

タイミングが良ければ取寄せ・入手等でご相談させて戴こうかと存じますが、 その折には、よろしくご助力のほどお願い致します。

御試聴ありがとうございました。 (pract記)

4.【mar_mo】様のシステム
【mar_mo】様は某大手M社、通信システム開発事業部のメーカーに勤めておられます。 CDPの自作なども積極的になされ、御自身の音を探求なさっておられます。

【mar_mo】様からいただいた、【mar_mo】様のシステムをご紹介いたします。

●システム機器の概要紹介



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システム全景
バラックCDPの下にあるのがパッシブATT(アルプス製RK50シリーズ)ボックスですが試聴時も含め最新状態は S&K Audio の BAP-1000 というプリを導入しており、SegoviaはバラックCDP(CD-PRO2M)のデジタルアウトより接続しBAP-1000のアナログインへ接続した構成にて試聴・確認させて戴きました。


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CDPro2メカを利用したCDプレーヤ
①ソース機器(CDP)
⇒DAISy取扱いのPHILIPS製『CD-PRO2M VAU1254トラスポート』 のPCB実装DAC(AK4384)のアナログ出力(アンバランス) を流用し、メカ部や基板等の振動対策や電源部のキャパ容量UP (総計91,600μF)などの改善処置を施してます。 また、ノイズカットトランス(タムラ特注300VAタイプ)を介した 電源供給とし、このCDPのみの専属使用としてます。

②プリアンプ
⇒S&K Audio取り扱いのBAP-1000というキット化されたプリアンプで 電源部〜増幅出力に至るまで完全デュアル・モノブロック構造、 増幅部は全てJ-FET採用の全ステージ・カスコード接続構成の回路と なっており、600Ωライントランス駆動可能の性能となってます。 まだ導入して間もないこともあり、ノーマル状態から手を加えて おりませんが、改善処置項目の抽出・洗出しレベルに留まってます。

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プリアンプ(カスタマイズ中)
※上記プリ導入前はパッシブATTのみのプリを介さない直結接続 スタイルでした。採用したATTはALPS製-RK50シリーズの 2連タイプ50kΩ(特注)で楽しんでおりました。

③ライントランス(PowAmp入力前段)
⇒本来ならば、使用を避けたいところですが、 アースループやコモンモード等の伝導性ノイズ対処の試行錯誤の上、 やむ無く採用しています。ただ、このトランスも市場品では無く 地元でお世話になっているマニアックな店長さんを介して製作注文した 名古屋のテクトロン製特注ライントランスを使用してます。 このトランスの特徴としては《600Ω:600Ω》のホット及びコールドの 両ライン共に絶縁されたアモルファスコア3重電磁シールド仕様で 引き出し線もMIL品のPTFE3芯シールドケーブルを採用したカスタム品です。 実情は、誘導ノイズ対策の結果、ノンシールド処理としています。

④パワーアンプ(U.K.仕様のPAタイプ)
⇒B.K. Electronics製 MF450(MONO 450W U-Mosfet Module) を採用して、組み上げるシャーシの振動対策や電源部の強化、 電源/信号ラインのノイズ低減処置を施しております。 また、R、C、のパーツ類は様子見ですが、Vishay、MUSE、 デュオレックス等に換装してます。
キャパの容量UPは片チャネル140,000μF程度としたことにより 低域の制動力向上に効果があることを確認できております。

⑤スピーカーシステム
⇒サウンド・アティックスさんと共同企画させて戴いた 4Wayマルチユニット構成でパッシブネットワーク (12dB/octリンクウィッツライレイ)ベースから 手を加えたオリジナルシステムを以下のユニット採用で 構築しています。
・TW  :Dynaudio製 T330D
・MidHigh:Dynaudio製 M560
・MidBass:Max製 MF130(13cmタイプ)
・Woofer :Focal製 11WX(25cmタイプ)

※欲を言えばマルチアンプ方式と行きたいところですが 場所の制約と物量の多さ、あと大きいのは予算的に厳しい事情に より、パッシブネットワーク方式を選択しました。 しかし、定数変更やパーツ交換等、無限とも思えるいじり甲斐を 設計段階から盛り込んでいますので、相当遊べると思います。 気力があればですが‥

特に拘ったポイントとしてはキャビネットの素材と構造です。 先ず素材としては30mm厚ハードメープル集成材をベースとしてます。 比重・乾燥等の等級管理レベルが最上位から2〜3番目程度のもの を選定してます。最上位品は高額過ぎて手がでませんでした。 構成としては4Wayを3分割したキャビ構造(縦積み3段構成)とし、 TWとMidHighで1キャビ(後方開放型)、MidBassで1キャビ(密閉型) Wooferで1キャビ(後方ダブルバスレフ型)として振り分けてます。 また、Wooferキャビについては後方に従って広がる台形タイプを 試みました。あと、Wooferキャビの内部補強は相当に気遣った作り込みで 剛性と響きのバランスは、個人的には満足レベルです。
ちなみに吸音素材としては、ほとんどを天然シルク(真絹)としている故 響きの調整コントロールがかなりシビアでしたが、じっくりと調整した為、 現状は非常に見通しの良い音場効果が得られています。

⑥ラック
⇒仕様・設計に関しては自力で行い、素材入手・加工は業者にて依頼し 製作・仕上げは自力で作り上げた代物です。 これも素材には拘っており、棚板はスピーカーシステムと同素材の ハードメープル集成材ですが、厚みが40mmの特注加工品です。 支柱は、イペの無垢材で100mmφの削り出し加工品です。 連結・締結に仕様した全ねじボルト材はSUS304の一般素材ですが M10×90mmとサイズが特殊な為、これまた特注加工品です。 度が過ぎるほどの構造により全体重をかけてもビクともしません。


●リスニングルーム環境ヒストリー

 築3年ほど経過した最上階角戸のマンション住まいですが購入契約前に 嫁さんからの寛大な計らいにより9帖程度の専用部屋を持つことが許され これに勢いづいた私は、事業主へ個別注文施工対応を受入れ可能ならば 購入契約しても良いとの条件で交渉してみたところ、 売主側のお取り計らいと施工側の意欲的な取組み姿勢が噛み合ったお陰で 当時の業界としては珍しい個別フリー注文の承諾を得ることができました。 ここまでくれば後には引けませんので、詳細仕様や施工指示の図面化作成、 個別注文上で取り扱う契約資料の作成、意識合わせの為の定例会議開催等で かなりの汗を流した甲斐あって施工段階からの防音・専用電源工事が可能と なった次第です。以下は工事内容と実情の紹介です。

・専用電源工事
単相三線式で積算電力計から専用部屋へとダイレクト(CV22sq)配線を 行い1次分電盤(分岐回路×4ブレーカー内蔵)を専用部屋内へ設け 序にA種レベルの接地環境も配備することができましたので、 SG・FGの各種アース接地の取り扱い処理も可能となっています。

また、各機器への電源接続にはコンセントを使用する方法を取り止め 自己設計による端子台を設けボルト(M5以上)止めを基本としてます。 4ブレーカー中、2ブレーカーはMONOパワーアンプ専用回路として 割当てしており、アンプ機器側の電源SWを省略する方式をとってます。
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専用分電盤&ライントランス周り
この処理に関しては安全性や自己責任のリスクがあまりにも大きいので、 決して薦められるものではありません。 業界関連に携わっていても取扱いやメンテによほど注意深い方でないと 危険を招く恐れがあります。

・音場改善工事
基本工事後、防音・音響処理としてYAMAHAアビテックスにて フリーオーダーによる基本処理工事を実施して戴き、防音処理は勿論、 部屋のクセや音の暴れも相当に抑え込むことができました。 留めはインナータイプの後付防音サッシ(旭化成防音合わせガラス) を注文加工依頼し自力施工しましたが、結果、二重サッシ構造となり 自身の呼吸の音が気になるくらい、静寂性の向上が確保できました。

とは言え、音響処理には未だ残された課題・対策もありますので システム構成が落ち着いた段階で、処置の模索を試みるつもりです。
   


【mar_mo】様、大変詳細なご紹介記事をいただき、ありがとうございます。
丹精込めて築かれたシステムに圧倒されます。
こだわりのリスニングルームは本当に凄いですね。(Pract記)

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