伊勢市の加藤様
ベリンガーDEQ2496:クロック交換

はじめに

我が家のJUNK AUDIOは、CDトランスポート(TL−2XmkⅡ)からサンプリングレートコンバーター(SRC2496)で24Bit/96KHzにコンバートしてDAC(Perpetual P−3A)でアナログ変換してプリアンプに入っていました。サンプリングレートコンバーター(SRC2496)を入れたときにも音質の劣化が気になり、内部の44.1Khz、88.2KHz系と48KHz、96Khz系のマスタークロックを交換してまずまずの結果を得ました。
今回SRC2496とP−3Aの間にBERINGERのDSPのDEQ2496を入れてみました。
DSPは何かと便利で特にアナログレコードのCD化の時には使えそうです。ところがDEQ2496を入れると前回のSRC2496のとき以上に音の鮮度が下がってしまいします。DEQ2496をDIGETAL INとDIGETAL OUTを直結する設定にしても音質の劣化は止まりません。(ANALOGのIN、OUTは電源OFF時などに、リレーで直結されているようです。)

・・これはまたクロック交換かなと思い、早速マスタークロックを交換することにしました。
DEQ2496



クロック交換(その1)

DEQ2496は、内部に44.1Khz、88.2KHz系と48KHz、96Khz系の2つのマスタークロックを持っています。DEQ2496はアナログ入力を内部のADCでデジタル化しDSP処理後に内部のDACを通ってアナログ出力として使うのが本来の目的のようです。このときのADC、DACのサンプリングクロックとして内部のマスタークロックを分周して使っているようです。デジタル入力を使ったときは、入力されたデジタル信号に同期して動作し、内部クロックは使わない動作になるようなので、わたしの使い方ではクロック交換は意味がないはずです。WORDCLOCK入力もついていますが、これもアナログ入力時のみ使われるようです。実際デジタル入力で使用中に内部の2系統のマスタークロックを止めても問題なく動作します。
(ただし、電源ON時に48KHz、96Khz系のクロックが止まっているとERROR表示を出し起動しません。44.1Khz、88.2KHz系は止まっていても問題なく起動します。)

DEQ2496
以上のようなことから、あまり期待がもてないままクロック交換をしてみました。交換の方法は、内部のDSP基板(写真上)上の水晶発信子(O2とO3:写真下左)と発振回路のコンデンサー(表面C56 C60、裏面C65 C69)と抵抗(R43 R48))(写真下中)を取り外し、自作した3端子レギュレーターで安定化した電源を使った高精度水晶発信器の出力からオリジナルのDSP基板のCLOCK IN(写真下右)にクロックを注入しています。3端子レギュレーターへは、DEQ2496内部にJUNKの12VCDのACアダプターを取り付けて非安定の直流を送っています。


水晶発振子
CとR

クロック入力点


クロック交換後の効果について、アナログ入出力に対しては予定どうりかなりの改善が聴き取れました。不思議なのはデジタル入出力に対しても、かなり改善されてたことです。直接内部クロックを使っていないにもかかわらず、わたしの駄耳のもある程度音の鮮度が保たれているのが分かります。はっきりした理由はわかりませんが、デジタル入力の同期信号に対し内部クロックが干渉しているか、発信器の電源を分けたことによるものだと思います。いずれにしろDEQ2496を単体で使うのであれば、効果はあると思います。




クロック交換(その2)

内部配線
狭い筐体の中で大したシールドもしないまま複数の発振回路がある状態は、元無線屋としては気になるところです。前回DDC(SRC2496)のクロックを交換したときにも近い周波数の発信器がシールドなしに距離的にも近い場所にあることには少し不安がありました。
今回自作した基板をオシロで見たところ、やはり2つの発信器を同時に使うと干渉のあることが分かりました。それならということで、外に発信器を置いてクロックを注入してみようと思いテストをしてみました。(写真右)
結果はDEQ2496の筐体内に発信器を置いたときより音の鮮度の低下が減ったように思いました。前回クロック交換をしたSRC2496の方も発信器は外のほうが良いのではと考え、(写真下左)どうせ外に出すのならクロックは一元化(同期化)した方が良いだろうと思い(写真下中)高精度水晶発信器の出力からDEQ2496とSRC2496に対し各々にシュミットトリガー74HC14(74AC14の手持ちがなく、30MHz以下なのでHCでもなんとかOK)を経由してクロックを注入してみました。外部の発信器の筐体はアルミ鋳造のケースの中を銅板で仕切り、2つのシールドされた部屋を作りました。(写真下右)








(写真上左)発信器とDEQ2496、SRC2496の間は、75Ωの同軸ケーブルにBNCコネクターを使って接続しました。また、わたしの使い方では、44.1KHz、88.2KHz系はアナログレコードの録音の時くらいしか使わないので、外部の発信器の44.1Khz、88.2KHz系は必要なとき以外は、電源が切れるようにしました。(44.1KHz、88.2KHz系のクロックを注入しないでDEQ2496とSRC2496を使用したとき、回路上いずれかのICなどに負担がかかり障害が出る可能性はあります。現在のところ確認はできていません。)(写真上中)


聴き比べるたびに何箇所かのコネクターを差し替えるのが面倒なので、切り替え機を作りました。(写真上右)(写真下左)(写真下中)DDC→DAC、DDC→DSP→DAC、DSP→DDC→DACの3種類の切り替えができるようにしました。96KHzの信号をロータリーSWで切り替えるのは少々抵抗がありましたが、この切り替え機を通したときとダイレクトにケーブルで接続したときの音の差は私の駄耳では区別できませんでした。上記の機器間の接続はすべてAES/EBU(バランス)です。ケーブルはBELDENの110Ωデジタルオーディオ用ケーブルです。





DDC→DACとDDC→DSP(DIGETAL INとDIGETAL OUTを直結する設定)→DACの時の音の差は殆どなくなりました。DDC→DACとDDC→DSP(内部フィルターなどを使う設定)→DACについても音の鮮度の低下は非常に少なくなりました。まだ100%ではありませんが、とりあえずDSPの便利さを利用できるレベルです。DSP→DDC→DACはアナログレコードの録音時に便利です。カートリッジ→MCトランス→RIAAイコライザー→アナログミキサー→DSP(24Bit/96KHzでサンプリング)→DDC(24Bit/96KHzから16Bit/44.1KHz SPDIFに変換)→P/Cの順で接続しています。CDの音もいろいろとやってみると随分変わるものだなあという思いです。






本来無関係なはずの発振器を高精度化しても効果がある・・というのはなんとも不思議な気がしますが、内部干渉による影響を考えれば納得できる気もしますね。いずれにしても基本を正すことなのでしょう。
詳細なレポートをありがとうございます。(Pract記)




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